脂肪肝と“見えない重金属”カドミウム:死亡リスクとの関連が明らかに【2025年】
脂肪肝と“見えない重金属”カドミウム:死亡リスクとの関連が明らかに

えっ、そんなことで? 脂肪肝と重金属の意外なつながり
健康診断で「脂肪肝」と指摘される人は、日本でも年々増えています。食べすぎや飲みすぎだけが原因だと思いきや、最新の研究では血中カドミウムという“見えない重金属”が、脂肪肝を持つ人の死亡リスクを大きく左右していることがわかりました。
カドミウムは体にたまると、まるで金属のサビのように少しずつ臓器を傷つけます。ここでいう「サビ」とは、体の中でゆっくり進む酸化ダメージを例えたものです。すぐには症状が出なくても、長期的に影響を及ぼすのです。
実はこれ、あの“カドミウム”がカギだった
カドミウムは、タバコの煙や一部の食品、工業由来の環境から私たちの体に入り込みます。脂肪肝(NAFLD: 非アルコール性脂肪性肝疾患)を持つ人では、肝臓に脂肪がたまっているため炎症や酸化ストレスに弱く、そこにカドミウムの影響が加わると健康被害が増す可能性があります。
なぜ死亡リスクが高まるの? 簡単にわかる仕組み
研究で示された背景には、次のようなメカニズムが考えられています:
- 酸化ストレス:カドミウムは体内で活性酸素を増やし、細胞を酸化的に傷つける
- 炎症反応:肝臓で炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)が増える
- 脂質代謝の乱れ:脂肪の燃焼が落ち、逆に合成が進むことで脂肪が肝臓に蓄積
こうした連鎖が長期的に進むことで、脂肪肝を抱える人の体は病気に弱くなり、死亡リスクの上昇につながるのです。
やってみる? 今すぐできる小さな一歩
カドミウムを完全に避けることはできませんが、日常の工夫で曝露を減らすことは可能です。
- タバコをやめる、または控える(喫煙は主要なカドミウム経路)
- 食品を選ぶときに産地や調理法を意識する(特に海藻や貝類)
- 清浄な水や環境の情報を確認する
- 脂肪肝自体の予防・改善(運動・体重管理・バランスの取れた食事)を続ける
要するにどうすればいいの? 脂肪肝とカドミウム対策のポイント
- 脂肪肝がある人は血中カドミウム濃度を低く保つことが重要
- タバコや食品など、日常でできる工夫から始められる
- 大規模研究で死亡リスクとの関連が示されており、科学的な裏付けがある
じゃあ、本当に根拠はあるの? 研究を深掘り
この研究が教えてくれること
米国の大規模調査 NHANES のデータを解析した研究で、脂肪肝(NAFLD)患者において血中カドミウム濃度が高い人ほど死亡リスクが増加することが明らかになりました。
研究の中身を見てみよう
対象者・人数
1999〜2018年のNHANESに参加した成人のうち、脂肪肝(NAFLD)と診断された13,450人
研究の方法
血中カドミウム濃度を測定し、低・中・高の3群に分けて追跡。年齢、性別、人種、喫煙、飲酒、身体活動、肝線維化の状態などを調整したうえで、死亡との関連を解析。
評価項目と期間
全死因死亡、心血管死亡、がん死亡を評価。追跡期間は平均137.3か月(約11〜12年)。
結果はどうだった?
- カドミウム濃度が高い群ほど、全死因・心血管・がん死亡が有意に増加
- 血中カドミウムが1単位上昇すると、全死因死亡リスクは約2.9倍、心血管死亡リスクは約2.6倍、がん死亡リスクは約3.8倍に上昇
著者たちはどう結論づけた?
研究者は「脂肪肝(NAFLD)患者において血中カドミウム濃度が高いと死亡リスクが明らかに上昇する」と結論づけ、公衆衛生レベルでのカドミウム曝露低減対策が必要だと述べています。
まとめ
脂肪肝は「食べすぎの結果」というだけではなく、環境から入る重金属カドミウムが寿命にも関わってくることが示されました。日常生活でタバコを控える、食品の選び方に気をつけるといった小さな工夫が、将来の健康リスクを下げる一歩につながります。科学的に裏付けのある研究だからこそ、今から行動に移す価値があるといえるでしょう。
出典:この情報のもとになった論文
| 論文タイトル | 著者 | 掲載誌 | 発行年 |
|---|---|---|---|
| Association of blood cadmium levels with all-cause and cause-specific mortality among adults with non-alcoholic fatty liver disease: a prospective cohort study | Congxi Xu, Zhi Li, Shirui Hao, Jian Zhang, Jinlong Li, Kuopeng Liang, Xiaojuan Wang, Yi Zhang, Guangyuan Zhao, Mengyun Bai, Dengxiang Liu, Jitao Wang | Frontiers in Public Health | 2025 |

