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食物繊維:お通じだけじゃない!体の中からキレイを作る「腸活の達人」

「食物繊維って、お通じによさそう」──そのイメージ、間違っていません。でも実は、それだけじゃないんです。食物繊維は私たちの腸内環境を整える「腸活のキープレイヤー」。そして腸は、健康や美容、さらにはメンタルにも影響する「第二の脳」とも呼ばれる存在。

この記事では、そんな食物繊維の働きや種類、上手な取り入れ方まで、医学的な根拠をもとに分かりやすく解説します。

目次

  1. 食物繊維とは?
  2. 食物繊維の種類とその働き
  3. 食物繊維が不足するとどうなる?
  4. どれくらい摂ればいい?目標量と現状
  5. 効果的にとるには?おすすめ食材とコツ
  6. まとめ

食物繊維とは?

食物繊維は、人の消化酵素では分解されない成分。かつては「ただの不要物」と考えられていましたが、現在ではその健康効果が数多く解明され、第六の栄養素とまで言われるようになりました。

主な働きには以下のようなものがあります:

  • 腸内の善玉菌を増やす
  • 排便を促す
  • 血糖値の上昇をゆるやかにする
  • コレステロールの排出を助ける

食物繊維の種類とその働き

食物繊維は大きく2種類に分けられます。

水溶性食物繊維

水に溶けてゲル状になる性質を持ち、以下のような働きがあります:

  • 血糖値の急上昇を抑える
  • コレステロールを下げる
  • 善玉菌のエサとなって腸内環境を整える

多く含む食品:海藻類(わかめ・こんぶ)、果物(りんご・みかん)、大麦、オートミールなど

不溶性食物繊維

水に溶けずに腸で膨らみ、腸を刺激して排便を促します。

  • 便のかさを増やして腸を刺激
  • 有害物質を吸着して排出

多く含む食品:野菜(ごぼう・にんじん)、豆類、きのこ、穀類など

食物繊維が不足するとどうなる?

食物繊維が不足すると、以下のようなリスクが高まります:

  • 便秘
  • 腸内環境の悪化(悪玉菌優位)
  • 血糖値やコレステロールの上昇
  • 生活習慣病(糖尿病・動脈硬化など)のリスク上昇

また、腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれるほど密接に関わっており、腸の不調がメンタルや集中力にも影響を与える可能性があります。

どれくらい摂ればいい?目標量と現状

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりの目標量を以下のように定めています:

  • 男性(18〜64歳):21g以上
  • 女性(18〜64歳):18g以上

ところが、日本人の平均摂取量は14〜15g程度とされており、多くの人が不足しています※1

効果的にとるには?おすすめ食材とコツ

以下のような工夫で、無理なく摂取量を増やせます。

  • 白米に雑穀もち麦を混ぜる
  • 毎食に野菜1皿を意識する
  • 納豆・豆腐・きのこを常備する
  • おやつに果物干し芋を選ぶ
  • オートミールを朝食に取り入れる

ポイントは、水溶性と不溶性をバランスよくとることです。どちらかに偏ると便秘や下痢の原因になることもあるため、さまざまな食材から摂取することが大切です。

まとめ:食物繊維は「腸活」のカギ!毎日の食事に少しずつ取り入れて

食物繊維は、腸を整えるだけでなく、血糖値やコレステロールのコントロール、免疫力の向上、さらには生活習慣病の予防にも役立つ、まさに「体の調子を内側から整える」縁の下の力持ちです。

日本人の多くが目標量を満たせていない今、毎日の食事に少しずつ意識的に取り入れることがとても大切です。特別な食材を用意しなくても、白米に雑穀を混ぜる、野菜を一品増やす、海藻や豆類をスープに加えるなど、小さな工夫で摂取量を増やすことができます。

「お腹の調子がいい」と感じる日は、心も体も軽やかになるもの。今日から少しずつ、“食物繊維を味方にする生活”を始めてみませんか?

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参考文献・出典