GABA(γ-アミノ酪酸):ストレス社会にうれしい天然の“癒し成分”
GABAとは?
GABA(ギャバ)は、「γ-アミノ酪酸」とも呼ばれる天然のアミノ酸で、脳や神経系の働きを穏やかにする“抑制性神経伝達物質”として知られています。体内でも生成されますが、食品やサプリメントからの摂取によって、リラックス効果や血圧調整などの働きが期待されます。
GABAの主な働き
- ストレス緩和・リラックス作用:脳内での神経の興奮を抑え、精神的な落ち着きをもたらします。
- 睡眠の質の改善:入眠のしやすさや深い睡眠に関与することが報告されています。
- 血圧低下作用:GABAを含む食品には、軽度の高血圧改善効果があるとされ、特定保健用食品(トクホ)にも利用されています。
- 集中力・作業効率の向上:ストレス緩和と相まって、作業中のパフォーマンス維持にも寄与するとされています。
GABAが含まれる食品
GABAは、発酵食品や発芽処理をした植物に多く含まれます。
- 発芽玄米
- トマト
- なす
- じゃがいも
- キムチや納豆などの発酵食品
また、GABAは製造工程で添加しやすいため、加工食品や飲料にも使われるケースが増えています。
豆知識:GABA入りチョコがヒットしたワケ
2000年代後半から日本では「GABA入りチョコレート(例:明治の“GABA for Sleep”)」が話題になりました。背景には、
- 受験や仕事などで“ストレスを感じる人”が増えた社会的状況
- 「チョコ=甘くて癒される」という嗜好性との相乗効果
- GABAに関する研究(例:ストレス緩和、血圧低下)が進み、機能性表示食品として活用され始めたこと
つまり、「おいしくてストレスケアができる」というニーズにマッチしたことが、ヒットの大きな理由です。現在でも睡眠改善やリラックスを目的にした機能性食品として、GABA入りチョコや飲料は販売されています。
サプリメントでの摂取について
GABAはサプリメントとしても入手可能です。ただし、脳関門(Blood-Brain Barrier)を通過するかは議論があるため、摂取形態や製剤技術が効果に影響する可能性があります。また、マグネシウムやビタミンB6と一緒に摂ることで、GABAの働きをサポートすることも知られています。
まとめ:GABAは“ストレス対策の頼れる味方”
GABAは、ストレス軽減や睡眠の質向上に役立つ機能性成分です。現代のストレス社会において、発芽玄米やGABA入りの食品・サプリメントを取り入れることで、心身のバランスを整えるサポートになります。