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ミネラル(無機質)とは?|体の「構造」と「反応」を支える縁の下の力持ち
体にとって「少量だけど不可欠」な存在
ミネラルは、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミンと並ぶ、五大栄養素のひとつ。人間の体では合成できないため、食事からの摂取が必須です。
カルシウムや鉄のように体を構成する材料になったり、ナトリウムやマグネシウムのように生理反応を調整するなど、重要な役割を担っています。
ミネラルの分類と一覧
厚生労働省の定義では、13種類の必須ミネラルが存在し、「主要ミネラル」と「微量ミネラル」に分けられています。
▶︎ 主要ミネラル(必要量が多い)
- カルシウム(Ca):骨と歯の材料。神経伝達や筋収縮にも関与。
- リン(P):骨やDNAの構成要素。エネルギー代謝にも必要。
- カリウム(K):細胞の水分バランスを保ち、血圧調整に寄与。
- ナトリウム(Na):水分・血圧の調整、神経伝達に必要。
- マグネシウム(Mg):300以上の酵素反応に関与。筋肉や神経にも重要。
- 硫黄(S):アミノ酸・たんぱく質に含まれ、皮膚・髪・爪の構造をサポート。
- 塩素(Cl):胃酸の成分(塩酸)として消化を助ける。
▶︎ 微量ミネラル(必要量はごく少量)
- 鉄(Fe):赤血球中のヘモグロビンの材料。酸素運搬に不可欠。
- 亜鉛(Zn):酵素の働きに必須。味覚や免疫にも影響。
- 銅(Cu):鉄の利用、抗酸化作用、神経・色素合成に関与。
- マンガン(Mn):骨の形成や代謝、抗酸化酵素に関与。
- ヨウ素(I):甲状腺ホルモンの材料。代謝をコントロール。
- セレン(Se):強力な抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)を構成。
- クロム(Cr):インスリンの働きを助け、血糖コントロールに寄与。
- モリブデン(Mo):体内の解毒反応に関与する酵素をサポート。
ミネラルを効率よく摂るには?
- 多様な食材を意識的に摂る(加工食品に偏らない)
- ミネラル同士のバランスに注意(亜鉛と銅、カルシウムとマグネシウムなど)
- 食物繊維・フィチン酸の摂りすぎは吸収を妨げることがあるので適量を
よくある質問(Q&A)
Q. ミネラルってサプリで摂っても大丈夫?
A. 基本は食品からの摂取が推奨です。特に鉄や亜鉛などは過剰摂取で害が出ることも。医師や薬剤師と相談のうえ利用を。
Q. ナトリウムと塩は同じもの?
A. 厳密には食塩(塩化ナトリウム)の中にナトリウムが含まれるという関係。塩分=ナトリウムと覚えてOKです。