SAC(S-アリルシステイン):熟成にんにくに含まれる“におわない”健康成分
はじめに:SACとは?
SAC(S-アリルシステイン)は、にんにくを熟成させた「黒にんにく」や「熟成にんにくエキス(AGE)」に多く含まれる、水溶性の含硫化合物です。アリシンのような強い臭いがなく、抗酸化作用や免疫調整、血流改善などの健康効果が穏やかに持続すると注目されています。
ちょっと気になる!SACの豆知識
- SACは「臭わないにんにく成分」
アリシンとは異なり、SACはにんにくの熟成過程で生成されるため、においが少なくサプリメントにも適しています。 - 日本発の研究も多い!
SACの研究は日本でも盛んに行われており、黒にんにく由来のSACが生活習慣病の予防に有用である可能性が複数の論文で示されています。 - SACはアリシンと違い「熱に強い」
アリシンは加熱に弱い一方で、SACは加熱・加工にも安定で、調理や加工食品でも摂取可能です。
SACの主な働き
- 抗酸化作用:体内の酸化ストレスを軽減し、細胞の老化や炎症を抑える働きがあります。
- 免疫調整:免疫反応を正常化し、過剰な炎症やアレルギー反応を抑える効果が期待されています。
- 血流改善:血管を保護し、血液の流れをスムーズに保つ作用が報告されています。
- 肝臓保護作用:肝機能をサポートし、解毒能力を高める可能性が指摘されています。
- 脳神経保護作用(研究段階):動物研究では、アルツハイマー病モデルマウスにおいて神経保護効果が見られています。
SACはどうやってできる?
SACは、にんにくに含まれるアリインが時間をかけて熟成される過程で、酵素的または非酵素的に変化して生じます。特に、熟成にんにくエキス(AGE)では、このSACの含有量が高く、健康食品成分として注目されています。
摂り方のポイント
SACを効率よく摂るには、以下のような方法があります:
- 黒にんにく(加熱熟成させたにんにく)
- 熟成にんにくエキス(AGE)入りのドリンクやサプリメント
においが少なく、胃腸への刺激も比較的少ないため、空腹時でも摂りやすいのが特徴です。
サプリメントとしての有用性
SACを含む熟成にんにくサプリは、にんにくの健康成分を効率よくかつ持続的に摂取したい方に向いています。アリシンのような即効性はないものの、長期的な健康維持に適しているとされます。
注意点はある?
- 特に過剰摂取による副作用は少ないとされていますが、用量は製品の指示に従いましょう。
- 抗凝固薬などを服用している場合は、念のため医師に相談を。
まとめ:SACはにんにくの「第2の健康成分」
アリシンに次いで注目されるSACは、においが少なく、作用が穏やかで持続的という利点があります。熟成にんにく食品やサプリとして日常的に取り入れやすく、抗酸化・免疫・血流改善など、現代人の健康維持に役立つ成分として期待されています。
出典
- Amagase H. (2001). Exploration of garlic’s active compounds. J Nutr.
- Colín-González AL, et al. (2020). S-allyl cysteine (SAC) and its protective effects in neurodegenerative diseases.
- Bayan L, et al. (2014). Garlic: a review of potential therapeutic effects.
- Healthline – What Is Black Garlic and Is It Good for You?