リコピンとは
リコピンは、トマトやスイカなどに含まれるカロテノイドの一種で、赤い色素の成分です。強力な抗酸化作用を持ち、特に活性酸素による細胞ダメージを抑える働きが注目されています。
β-カロテンやビタミンEと並んで、生活習慣病予防や美肌・アンチエイジング効果が期待される成分です。
リコピンを多く含む食品
- トマト(特に加熱調理したもの)
- スイカ
- ピンクグレープフルーツ
- パパイヤ
期待される効果
- 抗酸化作用:活性酸素を抑え、細胞の老化を防止
- 動脈硬化の予防:LDLコレステロールの酸化を抑制
- 美肌・紫外線対策:UVダメージから肌を守る
- 前立腺がんリスクの低減:一部の疫学研究で示唆されている
摂取のポイント
リコピンは脂溶性であるため、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。特にトマトを加熱調理すると、リコピンの吸収率が生の状態よりも高まることが分かっています。
例:トマトソース、ミネストローネ、ラタトゥイユなど
摂取量と安全性
日本にはリコピンの明確な推奨摂取量は設定されていませんが、1日あたり10〜15mg程度の摂取が健康効果の目安とされています。
過剰摂取しても基本的に毒性は低く、まれに皮膚がオレンジ色になる「カロテン血症」になることがありますが、健康への悪影響はありません。
ちょっと気になる!リコピンの豆知識
- リコピンは「加熱」で吸収率がアップ!?
トマトを加熱すると細胞壁が壊れてリコピンが取り出しやすくなり、吸収率が高まります。トマトソースは栄養的にも優秀! - リコピンは抗酸化力がビタミンEの100倍!?
一部の研究では、リコピンの抗酸化力はビタミンEの約100倍にもなるとされ、紫外線や老化対策に注目されています。
まとめ
リコピンは、抗酸化力に優れたカロテノイドであり、生活習慣病や老化予防、美容に関心のある方にとって日常的に摂りたい成分です。加熱したトマトを意識的に取り入れることで、効率よく吸収できます。
関連リンク
出典
- Rao AV, Agarwal S. Role of lycopene as antioxidant carotenoid in the prevention of chronic diseases: A review. Nutr Res. 1999;19(2):305–323. DOI: 10.1016/S0271-5317(98)00169-6
- 国立健康・栄養研究所「健康食品の素材情報データベース」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」