貧血予防のカギはミネラル?最新研究が示す真実
驚きの健康習慣:血液の元気を左右する3つのミネラルとは?

えっ、そんなことで?ミネラルが血液に影響?
毎日の食事で摂っているミネラルが、実は赤血球の元気に大きく関わっていることをご存じですか?
たとえるなら、車のエンジンオイルのようなもの。オイルが多すぎても少なすぎてもエンジンが傷むように、ミネラルも「ちょうどよいバランス」が大切なんです。
カギはセレン・マンガン・クロム
今回の研究で注目されたのは、セレン(Selenium)、マンガン(Manganese)、そしてクロム(Chromium)の3つ。
セレンは抗酸化作用を持つたんぱく質の材料になり、血液を酸化ストレスから守ります。
一方、マンガンやクロムは過剰になると赤血球に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
なぜ効くの?血液とミネラルの仕組み
セレンは細胞の酸化を防ぐ酵素の働きを助け、結果的に赤血球数やヘモグロビンを支えることがわかっています。
しかし、クロムは酸化ストレスを増やし、赤血球の数や血色素を減らす傾向が報告されています。
またマンガンは少量なら赤血球を増やすサポートをしますが、過剰だと鉄の吸収を妨げ、小球性貧血(血が薄くなるタイプの貧血)につながることがあると示されました。
やってみる?今日からできる工夫
難しいことをする必要はありません。
- バランスよく野菜・肉・魚を摂る
- サプリは「多ければ良い」と考えず、推奨量を守る
- 貧血気味の方は鉄だけでなくマンガン摂取量にも注意
要するにどうすればいいの?
- この方法は誰でも食生活から始められる
- 大事なのは「セレンは不足しすぎず、クロムとマンガンは摂りすぎない」こと
- 最新の科学的根拠があるから安心して取り入れられる
じゃあ、本当に根拠はあるの?
この研究が教えてくれること
アメリカで行われた大規模調査(NHANES)のデータをもとに、約24,000人を対象に分析した結果、
セレンは血液にプラスの働きをし、クロムとマンガンは過剰だとマイナスの影響を与える可能性があると示されました。
研究の中身を見てみよう
対象者・人数
アメリカの18歳以上、合計23,844人(うち血液データあり14,088人)。
研究の方法
血中のセレン・マンガン・クロム濃度と赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値の関係を統計的に分析。
評価項目と期間
NHANES(2015〜2020年)に基づき、横断的に評価。
結果はどうだった?
- セレン:赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットが有意に増加
- クロム:これら血液パラメータが有意に低下
- マンガン:赤血球数は増加するが、過剰ではヘモグロビンとヘマトクリットが低下
著者たちはどう結論づけた?
「クロムは赤血球に有害な影響を与える一方で、セレンは保護的に働く。マンガンは通常量なら良いが、過剰になると小球性貧血を引き起こす可能性がある」と述べています。
まとめ
セレン・マンガン・クロムはどれも必要なミネラルですが、不足も過剰もNG。
セレンは血液を守る味方になり、マンガンやクロムは取りすぎに注意が必要です。
毎日の食事を見直しながら、バランスを意識して取り入れることが、元気な血液を保つカギとなるでしょう。
出典:この情報のもとになった論文
論文タイトル | 著者 | 掲載誌 | 発行年 |
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Effect of Whole Blood Dietary Mineral Concentrations on Erythrocytes: Selenium, Manganese, and Chromium: NHANES Data | Costa, A.M.; Sias, R.J.; Fuchs, S.C. | Nutrients | 2024 |